決意のハンバーグ
今日の夕飯はハンバーグを作った。
怒りと、後悔と、謝罪と、あらゆる念をこめて、こねくりまわしてハンバーグを作った。
時をしばし戻して昨日の夜、いつもより3時間ほど残業をして、くたくたになって帰ってきた旦那は、疲れきった声で
「明日はハンバーグが食べたい」
と言ってきたのだ。
いつもなら、「あぁそう?わかった。ハンバーグ作るよ!」という気持ちにもなったのかもしれないが、
昨日は信じられないほどの暑さで、汗だくだくになりながら自転車をこぎ、買い物に行ってきたばかりだった。
「こんな暑いのに買い物なんて頻繁に行ってられるか!!」と、もうしばらく買い出しに行かなくてもいいように、一週間は生きていける分の食材(とごほうびのジュース1本)を大量に買い込んできた。
当然、綿密な献立もたてて、の買い物だ。
そんな日に限って新しい料理を注文してくるとは。
・・・待て待て待てい。こっちも大変なのだぞと声高らかに一言申し上げた。
と、そこで終わればよかったものの。
何か納得してもらうには理由もいるかとひらめいて、
「日曜日はどこもかしこも人がいっぱいだからスーパーには行きたくない!!」
なんて言ってしまったのが悲劇のはじまりだった。
「は!?俺はそんな日曜日に働きに行くんだけど!?!?」
というリアクションがあり、ケンカがはじまってしまったのだ。
その時の私としては、気分屋の旦那が当たってきただけだと思っていたが、 よく考えれば、旦那の職業は土日が特に大変な、サービス業だった。
あの時の旦那の怒り方は尋常じゃなかった。
我ながら、ちょっと反省だ。
食べさせてもらっている身で、私の家での仕事といえば、旦那を精神的にも環境的にも支えることだった。
最近は1日中ただひたすらにゲームをしていた分際が何をいっぱしの権利なぞ唱えているのだ。
反省だ。
ということで、リクエスト通りハンバーグを作ることにした。
あいにく、今日の天気は見事に快晴。気温も高かったが、なんとか自転車をこぎこぎスーパーへ行き合挽き肉だけ買って帰ってきた。
我ながら、うまくできたと思う。
噛めば噛むほど出てくる肉汁を、反省の涙に変えて。
もう少し旦那のありがたみを感じよう。